もう割れない無垢材

家具の表面が木目を出しているからと言って、それは無垢材とは限りませんね。0.6ミリの木材を薄くスライスした突板を貼って無垢材に見せているのが家具の作り方です。何故無垢材を使わないかというと、それは無垢材は割れたりヒビが入ったり反ってきたりと、いい面がほとんどないからなんですね。でも無垢の雰囲気って味があっていいですね。それで予算があり高価に見せたい場合は突板ではなく無垢材を使う仕事もありますが、リスクがあり、私はあまりお勧めしませんね。

厚い突板合板
厚い突板合板

この写真は合板の上に3ミリの無垢材を貼った物です。普通は0.6ミリですので5倍の厚みです。人間の目って凄いですよ。肉眼で見るとこれだけ厚いと無垢材の様に見えてきます。でもこの材料のリスクは、貼る突板が厚いことで、最初に書いた無垢材のリスクも生まれるわけです。特に心配なのが反りですね。

厚い突板合板
厚い突板合板

この写真は25ミリの合板の片面に3ミリの無垢材を貼った板の断面写真です。両面貼ると金額が凄いことになりこの仕事は片面ですが、反りが心配ですね。写真をよく見てください。シルバー色のラインが2本入っていませんか。これはアルミの板なんです。このアルミ板を挟むことで、この合板の反りを防いでいます。凄い技術でしょ。

厚い突板
厚い突板

これは下地が合板ではなくて無垢材で、両面に3ミリの無垢材を貼っている写真です。この材料はオーク材です。両面を3ミリの無垢材にして、板の端は芯材もオークにしています。中央部分の芯材は安い木材です。これを加工すると、まるで無垢の板の様に完璧に見えます。そして同じく反り止めで両側下地にアルミ板を挟んでいます。反りもなく、割れもないオークの無垢材の完成ですね。大きなオーク無垢材テーブルもこれで割れも反りも心配なく作れます。中国の特注家具工場のレベルは、世界でもトップレベルになりつつありますね。そしてそれが安価ですから、これは凄い!!!

この記事を書いた人

鈴木隆義