中国で作るフラッシュ家具

中国の家具のイメージは、無駄に重い!!!という言葉をよく聞きます。そうなんです、重いのです。日本には軽量化のためのフラッシュ構造が家具の製作では一般的ですが、海外ではほとんど見られません。ここ中国でも基本はフラッシュ構造はしません。理由は面倒だからですが、もう一つ大きなポイントがあります。それは両面に貼る板の強度の問題なんです。フラッシュ構造はご存知の通り階段上に骨組みをしたものの両面に薄い板を貼り、中が空洞の1枚板を作ることですね。つまり空洞のところは薄い板が一枚だけなんです。なので薄い板の強度が弱い海外では、フラッシュをすると芯材がない部分の板が時間と共に落ち込んできてしまうのです。それでフラッシュ家具は海外ではあまりみられないのです。

フラッシュの仕事
フラッシュ家具(中国家具工場)

この写真を見てください。普通は芯材に接着剤を付けて、両面の薄い板を接着します。理由は接着剤の塗布量が少なくて済むからです。無駄がないわけです。でもここでは板の方に塗ります。全面をムラなく均一に接着剤を塗ります。接着した後、接着剤が乾いてくると、この薄い板が乾いた接着剤のおかげで硬くなるのです。つまり強度もアップするわけです。この方法ですと、板の強度が弱い中国の建材事情でも多少は改善されてきます。こんな工夫を日々行って、ここ中国特注家具工場は頑張っています。

家具工場のプレス
家具工場のプレス(特注家具工場)

この記事を書いた人

鈴木隆義